小豆島で味わう“食の文化”体験!こだわり工場見学3スポット| 土庄雄平が行く 新しいフェリー旅 #15

人気のトラベルライター土庄雄平✕ジャンボフェリーのコラボ連載!2024年7月1日よりのダイヤ改正を記念して、読者の皆様に、8時15分神戸発のジャンボフェリーを利用して旅する、観光情報をお届けします。
最終回は、意外と知らない!?小豆島の穴場工場見学スポットを紹介。ぜひご覧ください。

土庄雄平

トラベルライター/フォトグラファー。雑誌や新聞、旅行情報サイトで記事を執筆するほか、数々のフォトコンテストで入賞実績をもつ。得意ジャンルは自転車旅・山岳旅・島旅・秘湯旅・旅とキャリア・グルメの6つ。ペンネームの『土庄(とのしょう)』は、トラベルライターの活動の原点となった大好きな小豆島の地名から拝借している。

小豆島で味わう“食の文化”体験!こだわり工場見学3スポット

小豆島といえばオリーブ畑が有名ですが、それだけではありません。昔ながらの製法を守り、さまざまな名産品を生み出す工場が集まる“食の島”でもあります。

島内には普段はなかなか見ることのできない製造現場を見学できるスポットが点在し、職人やメーカーのこだわりに直接触れることができます。今回は、その中でも特にディープな工場見学スポットを3つ厳選してご紹介します

小豆島が誇る多彩な特産品たち

小豆島と聞けば、まず「オリーブ」を思い浮かべる人も多いでしょう。日本で初めてオリーブの栽培に成功した島として知られ、オリーブオイルや加工品は今や島を象徴する存在です。けれど、小豆島の食の魅力はそれだけにとどまりません。

温暖な気候と豊かな海の恵みを生かした「醤油」「佃煮」、そして香ばしい香りを放つ「ごま油」もまた、この島を代表する特産物です。

醤油は400年以上の歴史を持ち、現在も木桶仕込みを守る蔵が残っています。佃煮はそんな名産の醤油を使って海産物を炊き上げた、昔ながらの保存食。ごま油は全国トップシェアを誇るメーカーの発祥地でもあり、港町に漂う香りが旅人を迎えてくれます。

ヤマロク醤油|木桶仕込みの醤油造りを間近で体感する

400年続く小豆島の醤油文化を今に伝える「ヤマロク醤油」。その醤油蔵は国の有形文化財に登録されています。見学では、蔵に足を踏み入れ、スタッフの解説を聞きながら杉樽仕込みの現場を間近で見ることができます。

蔵に入るとまず感じるのは独特の香り。これは醤油そのものではなく、長年の醸造で住み着いた酵母菌や乳酸菌が生み出す発酵の香りです。もろみがゆっくりと熟成していく過程で、この菌たちが醤油に深みを与えてくれます。


雄平のおすすめポイント
 

訪れるたびに、醤油を仕込む風景が少しずつ違って見えるのも面白いところ。筆者もこれまでに5回以上足を運びましたが、そのたびに仕込みの様子が微妙に変わっていて、新鮮な発見があります。

蔵には高さ2メートルを超える杉樽がずらりと並びます。現在、この杉樽を新たに作れる職人は国内に1軒のみ。五代目社長自ら樽作りを学び、実際に製作した“初樽”も蔵に収められています。


雄平のおすすめポイント
 

実際の醤油造りに使われているものと同じ木桶が店先に設置されており、触れてみればその堅牢さに驚きます!中に入って写真撮影するのがおすすめです。

見学を通じて、古き良き日本の食文化が受け継がれる現場に立ち会えるのは貴重な体験。木桶仕込みの醤油が放つ豊かな香りと、職人たちの情熱に包まれながら、醤油が生きた調味料であることを教えてくれます。

醤油蔵の見学の最後には、鶴醤や菊醤など、こだわりの醤油のテイスティングが可能。またヤマロク茶屋で提供される、しょうゆプリンやアイスクリーム鶴醤かけかけも絶品です。
MINORI GELATOやUCHINKUなど、島の人気店でもヤマロク醤油を使ったグルメやスイーツが楽しめます。旅の途中に立ち寄って、その風味を味わってみるのもおすすめです。

DATA

住所:香川県小豆郡小豆島町安田甲1607❒
電話番号:0879-62-8898
公式HP:こちら❒
予約:不要

小豆島食品|職人が作り上げる至上の佃煮づくりを体験する

島の静かな一角に佇む「小豆島食品」。4代目の久留島克彦さんが、受け継がれた技を守りながら、至高の佃煮づくりに取り組んでいます。質にとことんこだわり、無添加・少量生産の新作メニューも次々と開発。小豆島・ヤマロク醤油の4年仕込み「鶴醤」、喜界島産の未精製砂糖、枕崎産の鰹節など、使う素材はどれも選び抜かれた逸品です。


雄平のおすすめポイント
 

手作りにこだわる小さな工場だからこそ、この場所でしか生み出せない本物の佃煮を作り続けたいと、想いを語ってくださいました

工場の外観は、どこか懐かしい町の小さな工場を思わせ、扉を開けるとレトロな作業場が広がります。炊き上げの最中は、香ばしい香りがゆっくりと満ちていき、まるで時間がゆるやかに遡るような、心地よいひとときに包まれます。

小豆島食品の佃煮は少量生産のため、基本的には工場でしか手に入らない貴重な一品。初めて工場で購入してから、その味に惚れ込み、以後は郵送で取り寄せるリピーターさんも少なくないそうです。

佃煮づくりで旨みを引き出す最大の秘訣は、熟練の手作業による攪拌にあります。火を止めるまでの約2時間、平釜の前から一歩も離れず、ずっしりと重みのある佃煮を力強くかき混ぜ続ける——その根気と力仕事ぶりに、実際に体験してみて驚かされました。

工場見学では、パックライスを持参するのがおすすめ。なんと手作りの佃煮をたっぷり試食させていただけます。工場内には電子レンジもあり、温めたご飯にできたての佃煮をのせれば、もう箸が止まりません。気づけば持参した3パックすべてを平らげてしまうほど。しかも、次から次へと新しい佃煮が運ばれてくる、まさに至福のひとときです。


雄平のおすすめポイント
 

自ら手がけた佃煮をご飯にのせ、頬張るお客さんの幸せそうな表情を見るのが嬉しいと語る久留島克彦さん。工場見学で交わす何気ない会話も、きっと旅の思い出として心に残ることでしょう。

素材へのこだわりと手間ひまを惜しまない製法から生まれる佃煮は、大手製品とはまったく違う奥深さ。ひと口ごとに、素材の風味と作り手の温もりがじんわりと伝わってきます。

DATA

住所:香川県小豆郡小豆島町草壁本町491-1❒
電話番号:0879-82-0627
公式HP:こちら❒
予約:要予約

かどや製油|ごま油の今と昔を知るディープな見学ツアー

「かどや製油」。その発祥の地が、実はここ小豆島です。土庄港に降り立つと、ふわりと漂う香ばしい香り。それこそが、かどや製油のごま油です。


雄平のおすすめポイント
 

高松港から船で土庄港に着くと、潮風に混じってふわりと香ばしい香りが漂ってきます。その瞬間、「ああ、小豆島に来たんだ」と実感します。

工場に併設された資料展示室「今昔館」では、ごま油の歴史や搾油工程、昔使われていた貴重な道具が展示されています。資料館の見学は予約制。あらかじめ電話で希望日時や時間を伝えておきましょう。

スタッフによるパネルや映像を使った解説はわかりやすく、身近な食材・ごまの知られざる魅力に出会えるはず。希望すれば、バリエーション豊かなごま油のテイスティングも可能で、香りや味わいの違いを体感できます。
家庭用のごま油は、全て小豆島工場で作られているのだそう。この工場一つで全国への出荷量をカバーできるなんてすごいですね!

かどや製油は、小豆島を代表するメーカーであり、地域の雇用を支える大きな存在です。それだけでなく、島に根付くごま文化を未来へつなぐ活動にも取り組んでいます。「ごまのみらい小豆島プロジェクト」と題して、かつて島じゅうで見られたごま畑の風景を少しでも取り戻そうと、栽培地を広げているのだとか。

見学時には、気さくなスタッフとの会話も楽しみのひとつ。地元ならではのエピソードや、胡麻にまつわる昔話を聞けば、ごま油がますます身近で特別な存在になるはずです。
見学後には直販ならではの価格で、ごま油を購入可能!中には、店頭であまり見かけない&並ばない貴重な商品もありますよ。

DATA

住所:香川県小豆郡土庄町甲6188❒
電話番号:0879-62-1133
予約:要予約

ぜひ小豆島の魅力を自ら体験してほしい

今回で、トラベルライターの土庄雄平とジャンボフェリーがタッグを組んだ連載シリーズも最終回を迎えました。2024年7月1日のダイヤ改正を機に、約1年2ヶ月にわたって、ジャンボフェリーを使った旅の情報をお届けしてきました。

私にとって小豆島は、トラベルライターとしての原点であり、何度訪れても新しい発見がある大好きな場所です。今回ご紹介したのは島の魅力のほんの一部にすぎません。ぜひ皆さんも、自分の足で歩いて、その深さや楽しさを体感してみてください。
そして旅のスタートには、ぜひジャンボフェリーを選んでみてくださいね。最後までご覧いただき、本当にありがとうございました!

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