深夜便・りつりん2で行く!うどんと絶景を満喫する高松&屋島サイクリング旅| 土庄雄平が行く 新しいフェリー旅 #8

人気のトラベルライター土庄雄平✕ジャンボフェリーのコラボ連載!2024年7月1日よりのダイヤ改正を記念して、読者の皆様に、8時15分神戸発のジャンボフェリーを利用して旅する、観光情報をお届けします。
第八回目は、ジャンボフェリーとフットバスを利用して自転車でめぐる、香川県うどん旅のレポート。ぜひご覧ください。

土庄雄平

トラベルライター/フォトグラファー。雑誌や新聞、旅行情報サイトで記事を執筆するほか、数々のフォトコンテストで入賞実績をもつ。得意ジャンルは自転車旅・山岳旅・島旅・秘湯旅・旅とキャリア・グルメの6つ。ペンネームの『土庄(とのしょう)』は、トラベルライターの活動の原点となった大好きな小豆島の地名から拝借している。

深夜便・りつりん2で行く!うどんと絶景を満喫する高松&屋島サイクリング旅

ジャンボフェリーとフットバスを利用すれば、神戸を起点にして1日でうどん県を駆け巡るサイクリングが楽しめることをご存知でしょうか?今回は、学生時代に一度訪れて以来、約8年ぶりにこの旅を計画しました。当時はまだ自転車で走れなかった屋島スカイウェイも、今回のルートに加えてみました。そんな1日の冒険の様子をお届けします。

関西サイクリストの定番!深夜便で行く「うどんライド」

大学時代、そして卒業後の約1年半、関西で自転車ライフを送るなかで、よく耳にしたのが「うどんライド」です。ジャンボフェリー・りつりん2(深夜便)を利用し、神戸から高松へ渡り、早朝から讃岐うどん屋さんを自転車で巡るという楽しみ方です。

約8年前に一度行ったときは、五色台スカイラインを走るついでに、うどん屋さんを3店舗ほど訪れました。ひたすら全力でペダルを漕ぐのと、うどんをすすってお腹パンパンになるのを繰り返したことは、今でも忘れられない思い出です(笑)

今回、その懐かしいうどんライドを再び実行することにしました。今回は特に、2017年に無料化された「屋島スカイウェイ」を自転車で走ることを心に秘めての挑戦です。

ジャンボフェリーの深夜便・りつりん2に乗って高松へ

神戸港(神戸三宮フェリーターミナル)を1:00に出航し、高松港に5:15に到着する深夜便「りつりん2」。この便は、四国へ渡りたいサイクリストにとって、寝ている間に移動できる、痒いところに手が届く絶妙な航路となっています。

ターミナルへは、三ノ宮駅が最寄りと、大阪や京都など関西の主要都市から電車でアクセス可能なので、関西在住のサイクリストにとって四国への玄関口と言えるのではないでしょうか。
輪行すれば自転車の持ち込みはもちろん無料です。


雄平のおすすめポイント
 

船内にはリクライニング席やボックス席もありますが、睡眠をとりたいなら3Fののびのび席がおすすめです。自由席は先着順のため、出航の1時間前には港に到着して徒歩乗船の列に並ぶのがベター。プレミア席「のびのび席」を購入すれば、並ばずに確実に座席を確保できますよ!

クセになるメロディーとともに高松港へ到着!

「風が恋を運ぶ~海を遠く渡り~二人を結ぶジャンボフェリー〜♪」という耳に残るメロディーが、高松港への到着を知らせます。この音楽を聴くたびに、学生時代から何度もこの航路を利用した思い出が込み上げてきて、何だかノスタルジックな気分になります。
5:15頃に下船し、輪行していた自転車を組み立てて旅のスタートです。

かつては早朝5時頃から営業していたうどん屋さんもありましたが、最近は少し減ってきています。それでも元気に営業しているうどん屋さんもあります。まず訪れたのは「手打十段 うどんバカ一代」さんです。
おすすめは「釜バターうどん」。溶けたバターと生卵が絡み合い、まるでカルボナーラのような濃厚な味わいが楽しめます。もっちりとした讃岐うどんとの相性も抜群で、一口食べれば虜になること間違いなしです。

キツいけど絶景が広がる。念願の「屋島ヒルクライム」へ

自転車で東へ進み、いざ屋島方面へ。屋島は香川県高松市にある標高292メートルの台地で、源平合戦の舞台としても有名。特徴的な屋根のような形をしており、息を呑むような瀬戸内海の絶景を楽しめる観光スポットです。
頂上付近までは全長3.7kmの屋島スカイウェイが通じています。四国村の入口前から斜度は10%に達し、距離は短いもののタフなコースです。途中、2回にわたって源平屋島古戦場の標識が現れ、そのポイントからは豊島や小豆島を見渡せる素晴らしいパノラマが広がります。

上りなのに下っているように見える、ミステリーゾーン

トンネルを抜けて、あと一息

途中に現れるミステリーゾーンでは、突然傾斜が緩くなり、上りなのに下っているように見える区間があります。思わず笑ってしまいそうな場所ですが、これまでの坂道が厳しすぎて、笑う余裕もありません(笑)。
後半に差し掛かると、短いトンネルを通り過ぎた後、高松方面の絶景が展開。しかし、ここからゴールまで再び10%ほどの斜度となり、休む間もなく坂道が続きます。最後に橋の下をくぐり抜けると、屋島山頂観光駐車場へ到達します。屋島スカイウェイを制覇です。

スケールの大きい屋島観光。どちらのスポットへ行く?

駐車場から先の遊歩道は自転車通行禁止のため、徒歩での観光になります。屋島は山頂周辺が広いため、訪れたい場所を事前に決めておくのが良いでしょう。
一番の見どころと言われる屋島北嶺の「遊鶴亭(ゆうかくてい)」までは、徒歩で往復約1時間半かかりますが、その絶景は一見の価値ありです。

また、四国八十八ヶ所霊場第84番札所の屋島寺から屋島山上交流拠点「やしまーる」方面へ行くのもおすすめです。こちらは30分ほどで一周することができ、途中には休憩スポットも点在しています。

私が目星をつけていたのは「れいがん茶屋」です。喫茶や軽食、ランチが楽しめるこの店では、ユニークなスイーツ「屋島ティラミス」を味わえます。

瀬戸内海をイメージした青いプレートに、屋根の形を模した屋島ティラミス、各種フルーツやアイスが小島のように浮かんでいます。エスプレッソのビターな味わいと、芳醇なクリームの絶妙なバランスが、疲れた体に染み渡ります。屋島ならではの絶景を楽しめる開放感あふれる席も素晴らしいです!

立ち寄りスポットは山麓にも。四国村ミウゼアムへ

屋島スカイウェイを駆け抜け、屋島から下っていきます。行きに苦労した道も、帰りはスイスイ。流れるような瀬戸内海と八剣山のパノラマが素晴らしいです。さて屋島の見どころは、山上だけではありません。山麓にも立ち寄りたいお店やスポットが集まっています。

まず最初に訪れたいのが「ざいごううどん本家 わら家」です。江戸時代の茅葺屋根の農家を移築した風情あるお店で、独自の登録商標「ざいごううどん(田舎うどん)」を楽しめます。おすすめは「えび天ぶっかけうどん」。コシが強くモチモチとしたうどんに、軽めの衣でサクッとした海老天、そして飲めるほど優しい出汁が絶妙に組み合わさります。

徳島県祖谷地方のかずら橋を再現

円形の建物が特徴的なさとうしめ小屋

和紙の原料である楮(こうぞ)を蒸す小屋

次に訪れたいのが、「四国村ミウゼアム」です。四国地方を中心に伝統的な古民家や歴史的建造物33棟を移築したミュージアムで、それぞれの地域の伝統を色濃く残す貴重な建築物が保存されています。現存する2棟の砂糖しめ小屋はまるでおとぎ話の風景のようで、楮蒸し小屋は山間集落の共同体の姿を伝えてくれます。多くの建物が登録有形文化財となっており、ここでしか体験できない四国の世界が広がっていますよ。

3軒目と4軒目へ。最後までうどんライドは続く!

屋島山上と山麓を満喫したら、高松市街に向かって戻っていきます!これまで2軒うどん屋さんを巡りましたが、高松のうどんライドはまだまだ終わりません。

続いて訪れたのは「うどん あさひ」。15時閉店のところ、ギリギリで滑り込みセーフで入店できました。そこで出会った絶品が、讃岐名物の「しっぽくうどん(小)」。ゴロゴロと入った具材に優しい出汁が染み渡り、口の中でホロホロと崩れていきます。その具材と一緒に、コッテリとした天かすを加えて、モチモチとした弾力のある讃岐うどんをすすれば、思わず笑みがこぼれる美味しさ。こんな満足度の高い一杯がほぼワンコインとは感動的です!

最後に訪れたのは、高松駅前の「めりけんや 高松駅前店」。駅前の好立地で、朝7時から夜20時まで営業しており、非常に便利です。ここでは、シンプルな「醤油うどん(大)」をいただきました。めりけんや独自のダシ醤油が讃岐うどん本来の美味しさを引き立てます。ハモ天や海苔天など、ご当地天ぷらも美味しかったです。小麦の香りとともに、モチモチとした食感と強いコシが絶品。最後の最後までうどんを満喫した旅でした。

三列シートでゆったり移動。フットバスで神戸・大阪へ

帰りは高松駅からフットバスを利用。高松駅高速バスターミナル16:20発に乗ると、18:59に神戸三宮バスターミナルに到着します。
さらに、フットバスは事前に連絡すれば自転車の輪行が可能!つまりは、行きはフェリーで、帰りはバスでぐるっと神戸まで戻って来ることができます。サイクリストの皆さんにとっては朗報ではないでしょうか?
ぜひこのプランを参考に、高松&屋島サイクリング旅を計画してみてくださいね!


雄平のおすすめポイント
 

片道フェリー、片道フットバスの利用なら、【瀬戸内クルーズ&バス】セット券がおすすめです。関西 ⇔ 香川間を、往復4,250円~とお得に利用ができますよ!

お知らせ一覧にもどる

お気軽にお問い合わせください。お問い合わせ